開催

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―― 「ぶっ・・・飛べぇ!」 赤い魔人の拳がヘラクレスに直撃し、その巨体を後方へ退ける。 が、床を滑る彼は体勢を崩すこともなく、熱風の渦を撃ち返してきた。 「こんなものが効くかッ!」 ウェズレイは魔人の手でそれを払うと、少しよろめいて顔をしかめる。 「おい、大声馬鹿、何か武器を造れねぇか?」 代わりに泡の渦を撃ち返すガイは不意に、不満げな表情でそう尋ねる。 「それは無理だぁ!造れないこともないが、俺にしか使えん!」 「チッ、まぁ武器があっても無理か」 愛用のランスを失ったガイは、戦闘にやりにくさを感じているようだ。 「獅子炎森(ネメアズブレイズ)」 そんなことはおかまい無しに、ヘラクレスは再び巨大な焔の獅子を生成。 ウェズレイに向けて、容赦なくけしかける。 「一人でなんとかできるか?」 「多分なぁ!」 ガイはその場から飛び退き、ウェズレイは巨大な赤い盾を自身のオーラから造り、魔人にもたせる。 それを前方に構え、焔の獅子を防御。 凄まじい熱気と溶岩が飛び散り、盾ごと魔人は消し飛ぶが、なんとかウェズレイは無傷で済んだ。 「ぐ・・・ぬぅ!」 仰向けに倒れ、床を滑る。 その間にガイは、ヘラクレスの後方に回っていた。 「温暖化はこいつが原因か?ふざけやがって」 悪態をついて銃を取り出し、ヘラクレスの周囲、あらゆる方向へ乱射。 そしてそこに、 「弾力気泡!」 同じ数だけの泡を生成。銃弾と激突させる。 すると、泡の弾力で銃弾ははね返り、四方八方からヘラクレスに襲いかかった。
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