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が、銃弾は彼に触れる直前で熱によって溶け、消滅。
まるで蒸発したかのように、一瞬で消え失せた。
「・・・・・・」
ヘラクレスはゆっくりと振り返り、ガイに向かって溶岩の渦を放出。
「弾力気泡」
ガイは冷静に大きな泡を出現させ、トランポリンのように弾力を使って大きく跳躍する。
場に残った泡は溶岩の渦にかき消され、そのまま壁を破壊。
「硬室気泡」
宙にいるガイはさらなる攻撃を受けない為に、強固な泡を板状にして足場にする。
「溶岩を出すわけじゃねぇようだな」
戦いながらヘラクレスをジッと観察していたガイは、彼が自らではなく、周囲のものを熱で溶かして溶岩を作っていることに気づいた。
が、それを知ったところでどうにもならない。
イギリスとブラジルの頭領二人がかりで、防御に徹するのが精一杯。
その要所要所で攻撃を加えても、ヘラクレスにダメージは与えられない。
ガイやウェズレイが考えていたよりも、エリュシオンの強さは人知を超えていたようだ。
「くそッ!もうあまり力は使えないぞ!?」
ウェズレイが立ち上がり、再び赤いオーラで巨大な魔人の上半身を生成。
激しく息を切らしているところを見ると、もう長くはもたないようだ。
「でかい声で言うことかよ」
あきれ口調で愚痴るガイだが、彼にも限界は迫っていた。
しかしそれでも、
「九頭蛇焔(ヒドラズブレイズ)」
ヘラクレスの攻撃は、容赦なく二人に襲いかかる。
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