開催

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斬り落された焔は再びその切口に収束していき、瞬く間に修復を始める。 すると、機能停止していた四本の首の切口から、八本の首が姿を現した。 「一本を斬り落せば・・・二本になって生えてくるのかよ」 ガイは咳込み、口元を拭って溜った血を吐き捨てる。 「立てるか!?」 ウェズレイは彼を隣に下ろし、自分の能力を解除。 これ以上、力を維持していられないようだ。 「立てるに決まってるだろ」 そう言っているガイだが、顔や手に火傷を負っている。 命に支障はないものの、立っているのは辛そうだ。 「とりあえず、時間は稼げたろ。俺達も脱出して・・・こいつをブチ殺す作戦を立て直す!」 ガイの周囲に、彼の姿を隠すほどの大量の泡が出現する。 それはウェズレイの巨体をも完全に隠し、十三もの首を持つ焔の蛇の動きを制限する。 「錯乱気泡」 ガイがそうつぶやくと、泡に自分の姿を映して移動を開始。 まるで分身したように、ヘラクレスの目には何人ものガイとウェズレイが映っていた。 「逃げるぞ」 「あ、ああ!」 呆然とそれを見ていたウェズレイも、ガイに言われて壁際に走った。 「壁を壊せ!」 「むん!」 赤いオーラに包まれた右手で講堂の壁を殴り砕き、泡に隠れたまま外へ脱出。 ヘラクレスに追撃させることなく、二人は講堂内から外へ飛び出した。 すると・・・・・・ 「炎屋熱掃(アウゲイアス・ブレイズ)」 ヘラクレスは、能力による全力発動を開始した。
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