開催

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―――― 「なかなか、しぶとい」 巨大な鎌を振り回す瑠璃色の死神を背後に置き、タナトスはつぶやく。 彼は今だ無傷。 あらゆる攻撃を受けても、平然と立っている。 「バーナード!」 素早い動きを見せる地道が、バーナードの眼前に高速移動し、叫ぶ。 「あの林、どう思う?」 彼が指差す方向には、相変わらず燃え盛る林。 しかしその中に、火が消えている道が一本だけある。 先程、タナトスが能力を使ってブチ抜いた場所だ。 「あそこから逃げれるが・・・」 「罠だと、思うか?」 地道の言葉を遮り、バーナードは質問を投げ返す。 「だが、ここにいれば死ぬ。確実にな。奴の力は、想像を遥かに上回っていた」 地道はそう言うと、ただ唯一の逃げ道をジッと見つめる。 すると、 「奴に直接聞こうか・・・私の力なら、罠かどうか判断できる」 バーナードは口元を拭い、タナトスに向かって歩き出した。 「署長!?」 巨大な瑠璃色の拳を受け払いながら、ゼルが叫ぶ。 現状はタナトスを相手に、ゼル、ジョン、マルス、放の四人で攻撃。 他の護衛捜査官で、防御を行っている。 「下がって署長!これ以上は押さえてられねぇ!」 「やることがある。援護はしてくれ」 ゼルの制止を押し退け、歩き続ける。 そこで、タナトスの大鎌がバーナードに振り下ろされた。 しかし、 「危ないッ!」 放が撃った青白い渦がそれを弾き、軌道をそらす。 「功刀、手伝え!」 「わかってる!」 放の指示で、彼の相棒である功刀が能力を発動。 何人もの分身を作り上げ、タナトスに突進した。
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