開催

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「俺に近づくってことは、何か理由があるんだよな?」 功刀が作り出した分身達を鎌でなぎ払いながら、接近してくるバーナードへ言葉を放つ。 「俺の心を覗いても、無駄だぜ?何が知りたいのかは知らねぇがな」 「貴様の持つ情報を全てもらう。それだけだ」 足を止めたバーナードは、迷わず能力を発動。 タナトスを自分の有効範囲に入れ、彼が持つ情報を抜き取りにかかる。 しかし、 「させるかよ。意味がねぇことは変わりねぇが、黙って見てる理由もない」 死神が鎌を振り上げ、バーナードに襲いかかる。 それと同時にタナトスは姿を消し、有効範囲からの脱出を計った。 「署長!」 鎌を止めるのは、巨大な赤い手を生成していたジョン。 横から刃を殴りつけ、そのまま死神の体に血の触手を巻きつける。 だが、瞬く間に死神は消え去り、ジョンも血を自分の周囲に集め直した。 「何か情報は?」 「何もない。間に合わなかった」 尋ねる地道にそう返し、ため息を吐いて辺りを見渡す。 「行くしか・・・ないか」 そうつぶやき、炎のない道へ向かって前進。 地道や功刀も、それに続く。 「警戒を怠るな!奴はまだこの付近にいる!」 地道が叫び、皆の緊張を保たせる。 「誰かの力で炎を消せないのか?」 不意に功刀が尋ねるも、皆の疲労からしてそれをするのは難しいだろう。 「進むしかないか・・・」 バーナードは一歩踏み出し、唯一の逃げ道に入った。 「ロン、護衛だ。俺達はここで奴を食い止める」 「わかりました」 ゼルの指示でロンがバーナードの側に駆け寄り、地道と功刀も二人に続いて炎のない道を進む。 そこで・・・・・・ 「ぐ・・・が・・・ッ・・・は・・・」 パーシーが斬り刻まれ、その場に打ち伏せる。 「フン、やっと行ったか。向こうは奴にまかせて・・・俺はこっちを殺るかね」 その背中にあぐらをかき、タナトスが姿を見せる。
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