開催

42/53
前へ
/747ページ
次へ
「パーシー!」 ゼルが走り、タナトスに殴りかかる。 だがその拳は空を切り、ひらりとかわしたタナトスは立ち上がって距離を空ける。 「別に殺しちゃいねぇよ。【能力探知】は魅力的だし、この先、役に立つかも知れないからな」 「うるせぇ!」 再び拳を振り被るゼルを見て、タナトスは姿を消す。 そんな中、マルスはジョンの近くへと駆け寄ってきた。 「今の見たか?」 冷静な表情を浮かべて尋ねるマルスだが、疲労の汗が頬や首を伝っている。 「パーシーがやられた瞬間かよ?」 「違う。その後だ。ゼルの攻撃を、奴は能力を使わずにかわした」 それを聞いたジョンは、眉を寄せてゼルに視線を移す。 「面倒だっただけだろ?」 「かわせなかった・・・としたら?」 マルスもジョンも、ゼルの能力を熟知している。 【全てに触れ、掴む両手】を持つ彼の拳を、タナトスはただ身体能力で回避した。 これがどういう意味を持つのか、マルスは答えを出したいようだ。 しかし、 「んなこたぁどうでもいいんだよ。仲間が殺られてんだ・・・考える前に行動だろうよ!」 血で左腕を生成し、拳を握るジョン。 彼に考えることを求めても、無駄なようだ。 「ククク、次は誰が死ぬ?優先的に殺して欲しいってんなら、願いを聞くぜ?」 タナトスが姿を現したのは、マリアンの背後。 その気配を感じとった彼女はとっさに前へ飛び、振り向いて手をかざす。 「次はお前だ。俺が殺してやるよ!」 そこへジョンが乱入。 場は再び、荒れ狂う戦場と化す。
/747ページ

最初のコメントを投稿しよう!

17587人が本棚に入れています
本棚に追加