開催

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彼を見て驚愕の表情を浮かべるのは、倒れているバーナードとロン。 地道と功刀は顔をしかめ、現れた男を睨んでいる。 少しの沈黙が通り過ぎた後で、 「トム・レンフロ」 立ち上がり様、バーナードが彼の名を口にした。 するとロンも、 「ヘパイストス・・・?」 二つ名を呼び、立ち上がる。 その瞬間、トムと呼ばれた男の手から二本の斬撃が放たれ、バーナードに迫る。 「おっとぉ!」 しかし功刀が作り出した分身が盾となり、バーナードを守って消えた。 「その名で呼ぶな操縦者。貴様に、用はない」 相変わらずの無表情。 セラフィムの一員にして、支配者の実力を持ち、殺し屋を名乗る能力者。 “鍛冶神(ヘパイストス)”の名を持つ、謎多き男だ。 「お前が、なぜこの場所に・・・」 「愚問だな。俺がこの場に来る理由はひとつ・・・」 「殺し・・・か」 バーナードは能力を使わずに、トムの目的を言い当てる。 力を使わないのは、彼が有効範囲の外に立っているからだ。 「誰を殺しに来た?」 バーナードの質問と共に、三人は臨戦体勢へ。 するとトムは、 「お前だよ、バーナード・アルス」 バーナードを指差し、言い放つ。 そこで、功刀は十人の分身を生成。 場にいる四人を囲むように陣をとらせ、トムの出方を伺う。 「俺の邪魔をするなら・・・消すぞ?」 紫の瞳に輝きを灯し、手をかざして威嚇。 そこで、 「もうお前に、仕事はさせない」 両手に二色の光を纏ったロンが、分身達よりも前に出た。
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