第一章 再会

8/8
前へ
/334ページ
次へ
『どうされました?』 「……ユ鬼乃さん、私の両親に何したんですか?」 『ちょっと記憶に嘘の記憶を入れさせて頂きました。後、お父上の仕事場の方々にも少し、細工をしました』 ユ鬼乃さんは悪びれもなく、ニコッと笑いながら言った これで私の家に住み込むのは決定されてしまった 「はぁ……。そういえば、お母さん達海外大丈夫かな……」 『ご安心下さい。椿様のご両親には"烏天狗"(からすてんぐ)達を護衛に就けましたので』 ユ鬼乃さんはにっこりと笑って言った 『さて、日も暮れてきた事ですし、椿様の家に行きましょうか』 「椿のお家ってどんなお家~?」 「マンションじゃないでしょうねっ!?」 私を除いた三人は、がやがやと喋りながら、歩いて行こうとする が 「ちょっと待って下さいっ!特にユ鬼乃さんっ!!」 『はい?』 「あのっ、その服で出歩くのはちょっと……」 ユ鬼乃さんの着ている服は何と言うか……古い。かなり古い。昔の貴族が着ているような服を着ていたのだ 『あ、忘れていました。ちょっと失礼致します』 と言うとユ鬼乃さんはまた、噴水の中に入って行ってしまった 「(あの噴水の中ってどうなってるんだろう……?まさか、ユ鬼乃さんのお家だったりしてっ!?)」 暫くするとユ鬼乃さんが噴水から出てきた 服装は先程の服ではなく、普通の黒いフード付きのパーカーを着ていた 『失礼致しました。先程のは昔から着ている普段着でして』 とユ鬼乃さんはちょっとはにかんだ 「あの、ユ鬼乃さん」 『何でしょう?』 「あの噴水の中ってどうなっているんですか?」 気になって仕方ない 『あぁ、あれは私の力で遠くにある私の家の池と、ここの噴水を繋げたのです』 「あ、じゃあ噴水の中に家があるわけじゃないんですね」 ちょっとホッとした 『さすがの私も水の中では生活出来ませんよ』 ユ鬼乃さんは苦笑していた 『では改めて参りましょうか』 ユ鬼乃さんはにこりと笑い、私達は家に向かった
/334ページ

最初のコメントを投稿しよう!

221人が本棚に入れています
本棚に追加