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『どうされました?』
「……ユ鬼乃さん、私の両親に何したんですか?」
『ちょっと記憶に嘘の記憶を入れさせて頂きました。後、お父上の仕事場の方々にも少し、細工をしました』
ユ鬼乃さんは悪びれもなく、ニコッと笑いながら言った
これで私の家に住み込むのは決定されてしまった
「はぁ……。そういえば、お母さん達海外大丈夫かな……」
『ご安心下さい。椿様のご両親には"烏天狗"(からすてんぐ)達を護衛に就けましたので』
ユ鬼乃さんはにっこりと笑って言った
『さて、日も暮れてきた事ですし、椿様の家に行きましょうか』
「椿のお家ってどんなお家~?」
「マンションじゃないでしょうねっ!?」
私を除いた三人は、がやがやと喋りながら、歩いて行こうとする
が
「ちょっと待って下さいっ!特にユ鬼乃さんっ!!」
『はい?』
「あのっ、その服で出歩くのはちょっと……」
ユ鬼乃さんの着ている服は何と言うか……古い。かなり古い。昔の貴族が着ているような服を着ていたのだ
『あ、忘れていました。ちょっと失礼致します』
と言うとユ鬼乃さんはまた、噴水の中に入って行ってしまった
「(あの噴水の中ってどうなってるんだろう……?まさか、ユ鬼乃さんのお家だったりしてっ!?)」
暫くするとユ鬼乃さんが噴水から出てきた
服装は先程の服ではなく、普通の黒いフード付きのパーカーを着ていた
『失礼致しました。先程のは昔から着ている普段着でして』
とユ鬼乃さんはちょっとはにかんだ
「あの、ユ鬼乃さん」
『何でしょう?』
「あの噴水の中ってどうなっているんですか?」
気になって仕方ない
『あぁ、あれは私の力で遠くにある私の家の池と、ここの噴水を繋げたのです』
「あ、じゃあ噴水の中に家があるわけじゃないんですね」
ちょっとホッとした
『さすがの私も水の中では生活出来ませんよ』
ユ鬼乃さんは苦笑していた
『では改めて参りましょうか』
ユ鬼乃さんはにこりと笑い、私達は家に向かった
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