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「ふぅ……」
家に着いてひとまず皆を居間に待たせ、私は2階の自室に行き、私服に着替えて一息ついた
「(なんだか信じられない……まさかこんな小説みたいな事が自分に起こるなんて……)」
でも全て目の前で起きた事だから、信じられなくても事実なんだよね……
「私これからどうなるんだろう……まぁ考えても仕方ないか」
私は階段を下り居間に向かった
「アハハハハッ!」
「えっ!?どこが今笑えたのっ!?」
双子ちゃん達はバラエティー番組を観てくつろいでいた
「あれ?ユ鬼乃さんは?」
「ユ鬼乃はご飯作ってるよ~」
「えっ!?やだ、私作るのに!?」
私は台所に向かった
「ユ鬼乃さんっ!料理なら私が……」
『あ、椿様、炊事場お借りしてます』
「…………あの、ユ鬼乃さん?その格好は……?」
ユ鬼乃さんはエプロンではなく、白い三角巾に割烹着(かっぽうぎ)を着て料理を作っていた
『え?食事を作るので着替えたのですが、何か変ですか?』
「……いえ、お似合いですよ」
はっきり言って似合っている
どこかの田舎のお母さんと言った感じだ
『ふふっ、ありがとうございます。あ、椿様、申し訳ありませんが、食事にはもう少し時間が掛かってしまいそうで……』
「あ、じゃあ先にお風呂入ってきて良いですか?」
「お風呂!?僕も入る~!!」
「私も入るわっ!!」
テレビを観ていた双子ちゃん達が元気よく駆け寄って来た
『こらっ、お前達。椿様の迷惑になるでしょう?』
「え?別に迷惑じゃないですよ」
「ほらっ!椿が迷惑じゃないって!」
「ユ鬼乃は厳し過ぎるのよっ!」
『くっ……椿様、よろしいのですか?』
「ええ、全然良いですよ。幸ちゃん、福ちゃん入ろー」
「「わーい!!」」
二人はドタドタと走って行った
『こらっ!走るんじゃありませんっ!!……まったく……』
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