221人が本棚に入れています
本棚に追加
ー脱衣所ー
「二人とも服自分で脱げる?」
「そのくらい出来るわよっ!」
「僕達妖怪だよ?何年生きてると思ってるの?」
「……そうでした」
でも二人はそう言いながらも、服を脱ぐのに手間取っていた
「(私も脱ご……)」
二人が手間取っている間に服を脱いでバスタオルを体に巻くと、服を脱ぎ終わった幸ちゃんが私を見ている事に気づいた
「幸ちゃん、どうしたの?」
「……椿、牡丹より胸おっきいわね」
「ホントだ~!!牡丹お胸無かったもんね~」
「ぶふっ!!////」
いきなり何を言いだすのだこの子達は!!
「ほ、ほら体冷えちゃうからお風呂入ろうねー」
私は話を反らすように二人をお風呂に入れた
「椿ん家のお風呂狭~い」
「えっ」
「ユ鬼乃ん家のお風呂の方が広かったわっ!!」
「こ、これでも広い方だと思うんだけどなぁ……」
私の家のお風呂は、今現在子供が二人に大人一人が入れているのだが、狭いのだろうか……
いや、多分ユ鬼乃さん家のお風呂が広すぎるんだ、きっと
「椿~」
「んー?」
「椿は牡丹だった時の事、なぁんにも覚えてないの~?」
「……うん」
まったく覚えていない
「当たり前よっ!!人間は生まれ変わったら、前の記憶無くして新しい人生を始める生き物なのよっ!ユ鬼乃が言ってたでしょっ!?」
「言ってたけど、ちっとも覚えてないの?」
福ちゃんは寂しそうな顔で聞いてくる
「ホントに覚えて無いの……ごめんね?」
前世の記憶が無い事は私のせいでは無いけれど、福ちゃんの顔を見ると申し訳なくなってきた
「別に椿が謝る事じゃないわっ!!福もいい加減にしなさいっ!ユ鬼乃に言い付けるわよっ!?」
「ヤダ~!!」
そう言えば私は前世(牡丹だっけ)の事を全く知らない
「ねぇ、前の私はどんな人だったの?」
「ん~、牡丹は優しい人だったよ~」
「あと、不思議な力で傷を治せたのよっ!」
「えっ!!それ凄くないっ!?」
「凄いよ~」
「その力で怪我した妖怪達を治してあげてたわっ!まぁ自分は治せなかったんだけどねっ!!」
「そうなんだ」
つまり私は妖怪のお医者さんだったのかな?
最初のコメントを投稿しよう!