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自称鬼と言う男の人は、相変わらずニコニコとしている
「あ、あの、そそその鬼さんが私に、な、何かご用意なのですか?」
いくらニコニコ笑顔でも、鬼だと言われれば怖い
私が吃りながら尋ねると、男の人はクスッと笑った
『大丈夫ですよ。私は椿様をお守りするために参上したのです。式神は主を守るのが務め。食べたりしませんよ』
クスクスと笑いながら男の人、ユ鬼乃さん(だっけ?)が答えた
「そ、そうでしたか……でも、私は守られるような、大層な人間じゃないですよ?」
別に命を奪われるような事はしたこと無いし……
『えぇ、今はまだ大丈夫でしょう……ですが椿様はそろそろ18歳になられるのでは?』
「えっ?そうですけど……」
『椿様、貴女様には不思議な力がお有りなのですよ』
「不思議な力……?」
『はい、椿様は前世では女の陰陽師だったのです。陰陽師には不思議な力がありまして、その力は18歳を迎えると一気に力を増すのです』
「……力が増すとどうなるのですか?」
『その力を狙って悪い妖怪等が襲って来ます』
「え゙っ!?」
『一体誰が言い出したのか分かりませんが、陰陽師の肉を喰らうと妖力が増すだとか、不思議な力が身につくやら色々な話がありまして、それで前世の椿様もよく狙われてましたよ』
ユ鬼乃さんはやれやれと言った感じに、深いため息を吐いた
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