PageⅠ 封筒

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  お母さんとの会話を終えた僕は 無駄に重たい通学バッグを 食卓の近くの床に ゆっくりと置いた。 音を立てると、下の階の人に 迷惑がかかるからと 昔、お母さんによく言われたのを 今の事の様に覚えている。 そういえばあの頃は お母さんはまだ優しかったな…… 僕は玄関へ行き、 ドアに取り付けられている 郵便受けを開いた。 パサッ…… 「──ん?」 郵便受けから何かが出てきた。 回覧板じゃないみたいだけど。 「なんじゃこりゃ?」 僕がそう言いながら拾ったのは 青い色をした封筒だった。 サラリーマンなどが よく脇に挟んでるような よく見る薄く青い封筒だ。 「安達…徹様…って、僕宛て!?」 僕は思わず声を高らかにした。 無理もなかった。 なんせ、僕に手紙はもちろんのこと、メールを送ってくれる人すらいなかったから。 ずっと1人だったから。
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