PageⅠ 封筒

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とりあえず僕は お母さんに回覧板がなかった旨を告げて、封筒と共に部屋に戻った。 それにしても この封筒は一体何なのだろう? 薄っぺらくて、本当に中身が 入っているのかさえ疑いたくなる程だ。 「もしかして、荻野君か誰かの 悪戯かもしれないなぁ…」 床に置いた封筒をじっくり眺め、 腕を組みながら、僕は唸った。 しかし、ずっとこうしていては 何も進まないと考え、 僕は封筒をあけてみることにした。 先ほど部屋に置いたカバンから 筆箱を取出し、 さらにその中に入っているハサミを取り出した。 そして僕は唾を飲み、 一呼吸おいてゆっくりと 封筒の上部を切り始める。 興奮しているのか、 ただ不安なのかはわからないが、 何度もハサミを使う手が震えてしまった。 少し蛇行ながらも 封筒を切り終えた僕は 封筒をひっくり返し、 中身が何かを確かめる
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