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「おい、何黙ってんだ!?」
荻野君がドスを効かせた声で
僕を睨んでくる。
「ごめん……じゃ…じゃあ行こっか……松野屋…」
僕は荻野君とは目を合わせずに
ボソボソと呟いた。
それを見て満足したのか、
荻野君はいつものように大きな声でクラス中に呼び掛ける。
「おい!! 聞いたか!?
安達が松野屋で牛丼奢ってくれるってよ!!」
この一言に、荻野君の仲間たちが素早く食い付いてくる。
このパターンも何回目だろうな
「マジで!? サンキュー安達!!」
「太っ腹だな、安達!!」
ここまで来ると、
もはや恐喝の域に達してるのではないかと思う。
だけど…反抗はできない…。
反抗すれば、もっと酷い目に合わされる。
今の僕に味方なんていない。
一人も。
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