Page0 願望

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  僕は何度も殴られた。 何度も蹴られ、眼鏡を割られ、 服を脱がされ、恥辱を受けさせられた。 いつか終わるのか……? 頭の中でそんな言葉が浮かび上がるようになった。 何かのマンガの台詞に 『あきらめたら、そこで試合終了だ――』 なんて名言があるらしいけど、 所詮マンガの中の話。 現実を見ていない、 ただのきれいごとなんだ――。 そんな事を考えながら、 僕は半ば諦めていた。 でも──── そんな諦め半分の中でも やはり僕の中にはあった。 この状況を抜け出したいという 願いが。 身分階級のヒエラルキーの 最下層から脱出したいという 願望が………。
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