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さて、レオナたちキメラ小隊に与えられた今回のミッションの内容はというと。
地道な諜報活動の結果、とあるテロリスト一派が、密かに建設した兵器研究施設の場所が判明。
そこで行われている研究のデータを回収し、施設を破壊という任務だった。
「さぁッ!行くわよッ!アンタたちッ!!!
あのバカが居なくても問題も無いって事を、あのカタブツに見せつけてやるのよッ!!!」
やけにやる気に溢れたレオナに引っ張られるように、あくせく準備を整えたキメラ小隊一行。
今回、エリス少尉の立案した作戦は、潜入と、強襲。
つまり、敵アジトにこっそり忍び込んで、気付かれる前に一気に制圧するという作戦だった。
少人数で施設を制圧する際に、よく用いられるまさにセオリー通りのこの作戦だったハズだが…。
「いまの悲鳴はなんだッ!!?」
「あそこだっ!誰か居るぞっ!!!」
「侵入者発見ッ!こっちだっ!もっと増援を呼べっ!!!」
セオリー通りのこの作戦も、実行する人間がセオリーに当てはまらない場合、あまり意味を成さなかった…。
「ちょっとッ!?エリス隊長ッ!!?
アンタ、ついさっき自分で…
『目標の敵アジトが近い…ここからは更に気を引き締めるんだ』
…って言ってたでしょッ!!!
まったくッ!仮にも一端の軍人が蜘蛛の一匹や、二匹でオタオタしてどうすんですかッ!!!」
「うぅ…すまない…突然だったから驚いてしまって…。
あの足がこう…ワラワラした感じがどうにもダメなんだ…」
「あ…あはは…。
わたしはレオナちゃんがあんなにおっきいクモさんを素手で掴んだことの方が驚いちゃったけどね…」
いや、エリス少尉の緻密にして、繊細な作戦が失敗したという事は、どうあっても結果は同じ。
そう!武装したテロリスト達に取り囲まれるこの状況は、不可避の事態、逃れられぬ運命、神が定めたルールだったのだ!
結局、こっそりどころか、あっさり見つかったキメラ小隊。
武装したテロリスト達の激しい抵抗にさらされるハメになったレオナ達の命運はいかに!?
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