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「ま、そういうワケでだ!
いまの諸君らは我が国の『敵』でなのであるっ!!!
さて!ここで問題デスっ!
捕らえられた『敵』なんと言うでしょうか?」
「は~いっ!閣下、ボク知ってるよ~っ!
答えは…『捕虜』で~すっ!」
唐突に始まったリスレクト閣下のクイズに元気一杯、手を上げて答えるシャロ。
「はい、よく出来ました。
閣下は良い国民を持ってとても恵まれた帝王ですね。
では、続けて問題でデスっ!
降伏しない『捕虜』ってさぁ…どうしよっか?」
「…はい…!
…敵国の情報を引き出す為に、遺憾ながら『尋問』を行う他、ありません…!!!(ニタリ)」
続く問いには、ドス黒い笑みを浮かべるリーゼがビシッと敬礼をしながら答えた。
「だよねぇ?
いきなり侵略とかされたら、閣下困っちゃうもんねぇ。
だから仕方ないよねぇ?だって降伏してくれないんだもんねぇ」
「リ…リスレクト閣下…?
待ってくれ!?ま…まさか…『尋問』って…」
満足そうに頷く閣下とは対称的に、エリス少尉の表情はみるみる曇っていく…。
どうやら、彼女には『尋問』の内容について、なにやら心当たりのようなモノがあるらしい。
「ちょっとッ!?エリス隊長ッ!!!
なにビビッてるんですかッ!?
こんなヤツに降伏なんてあたしは絶対ゴメンですからねッ!?」
「…だ、そうですよ、閣下…?
…やはり…ここは仕方ありませんよね…(ニヤニヤ)」
そうして、必死に全身に絡みつくワイヤーから逃れようと暴れるレオナに、今にも飛び掛らんと身構えるリーゼ。
「…と、思ったけど『尋問』とか非人道的だし、やっぱダメだっ!!!」
そんな彼女の手を止めたのは、空よりも広く、海よりも深い、慈愛の心に溢れたリスレクト閣下のお言葉だった。
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