Mission!!!

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「そ…そうだともっ!!! キミはそんな非道な事をするような人物ではないよなっ!!?」 「…な…正気ですか、兄さん…? …これほどの極上の素材をみすみす逃すというのですか…!!?」 パァッと安堵の表情を浮かべるエリス少尉と、正反対に我が目を疑うリーゼ。 「ふっ…良いか? 我が愛すべき民にして、親愛なる妹よ! そんな『尋問』が如き些細な問題よりもだっ! 我が国には未だ『国歌』が無いという事実の方が重大ではないかな?」 「…っ!!!…あ…あぁ…!? …なんと…なんとわたしは浅はかだったのでしょう…!!? …お兄様…どうか愚かなこの妹めをお許しください… …やはりあなた様こそが、我が忠誠を捧げるべき覇王でございます…」 リスレクト閣下の深遠なる御心を目の当たりにして、ウットリ恍惚とした表情を浮かべるリーゼ。 「えっと…リスレクト閣下? いまいち状況が掴めないんだが…。 妙な服装に着替えさせられたりは…しないんだよね?」 「…えぇ、ご安心ください… …あなた方には、お兄様を賛美する国歌を斉唱していだだくだけですよ…」 そうして、部屋中に張り巡らされ、エリス少尉達の全身に四方八方から絡みつくワイヤーの末端。 一箇所に集められアンカーで床に固定されたワイヤーの束にリーゼが歩み寄り…。 「…そう、例えば… …こんな風に…ね?(ニタリ)」 まるでハープでも奏でるかのように、そのワイヤーの一本に白くしなやかな指先をそわせて…。 ビィン…! …と、指先で弾いた瞬間…。 「ひゃ…んっ!?」 たまらず、エリス少尉の唇から声がこぼれた…。 どうやら、全身に絡みつくワイヤーから伝わってくる小刻みな振動が、くすぐったいような、ムズがゆいような独特の感触だったらしい。
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