626人が本棚に入れています
本棚に追加
/40ページ
「ちょ…ちょっとッ!!?
アンタら…もしかして…。
コレが『国歌』とか悪シュミなコト言うんじゃないでしょうねッ!!?」
「イェ~っ!ザッツライトっ!!!
これぞ、まさに天使の歌声っ!
そしてぇっ!収録準備もオッケィだっぜっ!!!」
驚愕の表情を浮かべるレオナなど、お構いなしにビデオカメラを高らかと掲げるリスレクト閣下。
その御姿はまさに聖剣を掲げる英雄の如く、あまりにも荘厳で神々しい。
「…こちらも全ての『弦』は把握しました…。
…お兄様、あなたにこの『歌』を捧げます…(ニタリ)」
「ま…待ってくれっ!私はキミ達に降伏す…」
そうして、エリス少尉にはお構いなしに、まるで水辺で優雅にハープを奏でる妖精の如く『演奏』を始めるリーゼ。
「…まずは…静かに、厳かに…」
「く…ふっ…
だ…だからぁ…私はこ…降伏すると…ぁ…んっ…!」
「ふっ…この歌声と表情…。
まさに天使そのものではないくわっ!!!」
ジ~~ッ!
「…そして…時に激しく、かつ繊細に…」
「ちょっ!?…そこのは引っ張ったらっ!?
だ…だめぇ…ふぁ…んんっ!!」
「な…なんという天使の福音っ!?
我が帝国の永遠は約束されたぁぁぁぁっ!!!」
ジ~~~ッ!!
「…さらには…変化をつけて、デュエットで…」
「えぇっ!?リーゼひゃ…んっ!?
わ…わたしまでぇ!?…んっ…ふ…っ!?」
「だ…だめぇぇぇぇぇっ!?
これぇ余計に…ふぁっ…恥ずかひい…からぁ…」
「どうしておれはカメラ二台持ってこなかったんだぁぁぁぁっ!!?」
ジ~~~~ッ!!!
「…となると…クライマックスは当然ながら…」
「ちょっ…ちょっとぉッ!!?
リーゼッ!?アンタ、もしかしてあたしまで…」
「レオ、ちょっと静かにしててくれないか?
いま大事なトコなんだ、雑音が入ると困る」
「アンタ、ホントにぶっ殺すわよッ!!?」
最初のコメントを投稿しよう!