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「ふ…ふふっ…あははっ…それにしても…。
自由に動けるって、こんなにも気持ちいいものなのね。
ねぇ?バ・カ・レ・ク・ト?」
レオナはゆらり、と殺気を全身から立ち上らせて対戦車ライフルを構え…。
「シ~ン~く~ん~っ!?
お姉ちゃん!今回ばっかり怒っちゃったからねっ!
ちゃんと反省するまで、許してあげないよっ!!?」
ぷぅっとほっぺたを膨らませたアリアは、小さな護身用ピストルを構える。
ちなみにエリス少尉はというと…。
「お…終わっひゃった…の…?
よ…良かったぁ…」
ぽぉっと惚けた表情を浮かべて、床にへたり込んだまま、しばらく立ち上がりそうにも無い。
「ま、ヤるなら当然…。
お前からだよな?」
「なんで当然なんだよっ!?
おれと協力してレオナ達から倒すって選択肢もあんだろがっ!?」
「つまんねぇから、却下」
そして、師匠もさも当然のように、大口径拳銃の銃口をリスレクト閣下へと向ける。
「ちくしょ~っ…相変わらず理不尽な…。
だがなっ!我が国にも戦力は残っておるのだっ!!!
ゆくぞ!愛すべき妹達にして、我が親愛なる民…」
閣下が己を奮い立たせ呼びかけた時には、全てはもう…手遅れだった。
「…戦況は限りなく不利…。
…この絶望的状況から生還を果たす唯一無二の方法は…
…戦略的撤退のみ…!!!」
「ごめ~んっ!アニキっ!
姉御とガチンコはやっぱムリだってっ!
あ!帰りにじゃがいも買って来てね~っ!」
「あぁっ!?マイシスターズっ!!?
せめて、じゃがいもの代金くらいは置いていってぇっ!!?」
閣下の愛すべき妹達は、閣下に注意が集まったスキを突いて、遥か彼方へとちゃっかり逃亡済みだった。
こうして、『真聖リスレクト帝国』の国防力はあっという間に失われてしまった…。
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