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「アンタ、ホントしぶといわねッ!?
いいわよッ!今度こそ、キッチリ引導を渡してあげるわッ!!!」
『目も開けてられないクセにスゴんでも、怖くないも~んっ!
っていうか、状況を理解してるのかなぁ?
お前には特別に…さっきの続きを直接やってあげよっかぁ?レ・オ・ナちゃぁん?
かぁ~かっかっかっ!!!』
「こんのケダモノッ!変態ッ!!女性の敵ッ!!!
こんな時だけレオナって呼ぶなぁッ!!!」
そう、もはやレオナがどれだけ虚勢を張っても無駄。
この場の主導権は既に閣下の大いなる手の内に完全に掌握されてしまっているのだ。
「く…来るなら来なさいよッ!!!
ちょっ…ちょっとでもあたしに触れた瞬間…。
思いっきり、噛みついてやるんだからッ!!!」
「いいや、ちげぇな。
…………そこかっ!!?」
必死に身を縮めて身構えるレオナをよそに、師匠はあらぬ方向に銃口を向け引き金を引く…。
バキャ…ッ!!!
『…ザッ…。
あ~ぁ、もうバレたっ…ザザッ…スか…?』
すると、どこからともなく聞こえていた閣下の御声に突如、ノイズが混ざり出した。
「コレって…無線機…?
まさかッ!?あのバカッ!!?」
「くくっ、まんまとしてやられたぜ。
あのバカはとっくに…」
師匠が撃ち抜いた場所には、壊れかけた無線通信機がポツリと残されているだけだった。
『…ザザッ…。
ハァイ、皆さ~んっ!ご無沙汰してます、閣下です。
なんと閣下は今ですねぇ…ザザ…。
地下への直通エレベータ前に…ザ…ピーッ…居ちゃったりするんですねぇ~っ!』
「はっ!目的のブツだけ掠め取ろうって魂胆かよっ!
させるかよっ!いくぞ!アイリっ!!!」
「はいはい。
もぉ、ティアったら楽しそうにしちゃって」
一瞬で閣下の目論見を見破った師匠とアイリさんは、閣下を追ってまさに疾風の如く走り去っていった。
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