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「じゃ!クーちゃんッ!
今日も頑張ってくるからねッ!」
さて、着替えを済ませて白を基調にした制服……ではなくて。
黒を基調に裾や袖に赤いラインの装飾がなされた詰襟の軍服に身を包んだレオナがクーちゃんの頭を軽く撫でて、宿舎の自室を後にする。
そう、彼女はこの国の治安を守る軍隊…ラグナシア軍に籍を置く立派な軍人なのである
クーちゃんと一緒に寝たり、おしゃべりなんかしちゃってるがこれでも階級は軍曹だったりする。
ちなみにレオナの兵科は突撃兵。
本日は司令部より、彼女が所属する部隊に任務があるとの通達があり、レオナは心地よい緊張感を感じながらブリーフィングルームへと足を早める。
「レ~オ~ナ~ちゃんっ!おっはよ~っ!
ねぇねぇっ!レオナちゃんはこれ見たっ!?」
そんなレオナの後を追うように、軽快な足音と明るい無邪気な声が聞こえてくる
レオナが振り返ると、彼女と同じデザインのハズなのに、なぜかやたらと胸元が窮屈そうな軍服に身を包んだちっこい少女が雑誌を片手に駆けてきた。
「ほら、このページっ!見て!見てっ!
ベリーゴージャスベリー&ベリーパフェだってぇっ!!!
ストロベリーとぉ、ラズベリーとぉ、なんとブルーベリーまで乗ってるんだよっ!?
甘いのかなぁ?すっぱいのかなぁ?
すごいよねぇ、美味しそうだよねぇ、いいなぁ、食べたいなぁ」
手にした雑誌の新作スイーツ紹介のページを指して、明るいグリーンの瞳をキラキラ輝かせ、まるで子犬のようにレオナにじゃれつく少女。
このピンクのふわふわの髪の少女の名はアリア=リライブス。
レオナと同じ部隊に所属しており、兵科は衛生兵、階級は曹長。
一応、これでもレオナより二つ上の17才である。
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