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「アリア、アンタねぇ。
そんなのばっかり食べてたら、いまにブクブクに太っちゃうわよ?」
「え~っ、これぐらい大丈夫だよぉ?
食べちゃった分は、ちゃんと運動してるもんっ!
ほぉらっ!しゅっしゅっ!しゅっしゅっ!」
ブリーフィングルームへの道すがら、そう言って歩きながらも、器用にシャドーボクシングを始めるアリア。
その上下左右に変幻自在、縦横無尽で見ごたえたっぷり、予測不能な揺れ具合…こほん、失礼。
その可愛らしく、微笑ましい仕草に通りすがりの男性兵士達の誰もが目尻を下げ、ついでに鼻の下をだらしなく伸ばして振り返る。
「~~~~~~~~~ッ!!!!」
だが、その誰もがレオナの鬼気迫るような冷たい視線に睨まれ、背中を丸めてそそくさと去っていく。
「あっ!レオナさん、アリアさん、おはようございます!」
「ふん、おはよ」
「ルカくん、おはようございます」
そうこうしている間にブリーフィングルーム到着したレオナ達を、一足先に到着していたオレンジ色の髪の少年が出迎えた。
小柄で華奢な身体つきと、整った愛くるしい顔立ちのおかげで少女にも見える、この中性的な少年はルカ=アストラム伍長。
兵科は狙撃兵、年齢は14才で『今、現在』のレオナ達の部隊の最年少だ。
ちなみに何故、『今、現在』なのかは、後々明かされるので今は頭の片隅にでも留めて置いてくれれば十分なのである。
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