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「じゃあ、ボク、隊長に全員揃ったって伝えてきますね。
あの…アランさんは…」
「いいわ、チビスケ。
あたしに任せて、アンタはさっさと行ってきなさい。
まったく…珍しく遅刻してないと思ったら…」
正面に大画面モニターが据えつけられ、それを囲むようにコの字型に長い机が設置されたミーティングルーム。
その机の上に乗っかっている茶色い塊にレオナの冷ややかな視線が注がれる。
不安げに部屋を後にするルカと、これまた不安そうに見守るアリアに一切構わず、レオナはつかつかとその茶色い塊に歩み寄っていく。
「うへへ…おぉぉッ……マジか…よ…うひゃひゃ…」
「起きろッ!バカ1号ッ!いや…単なる能天気バカッ!!!」
「ぐわっちッ!!?」
そして机に突っ伏して、幸せそうに寝息を立てていた茶色い短髪の少年を問答無用に蹴り倒した。
「な…なんだぁッ!!?なにが起こっ…いやッ!!!
そんなコトはどうでもいいッ!!!
夢かッ!?さっきのは夢だったのかッ!?
ヒデェ…あんなにいいトコで……もうすこしッ!あと少しでぇ…ッ!!!」
椅子からもんどりうって転げ落ち、幸せな夢の続きを追い求めて、黒いつぶらな瞳をキョロキョロされている彼の名はアラン=ダグラス。
階級は軍曹で、兵科は施設、障害物等を破壊及び撤去する工作兵だ。
「アランくん、ダメだよ?
ここは任務のお話をするお部屋だから居眠りしてちゃ。
レオナちゃんも、もうちょっと優しく起こしてあげようよ、ね?」
突然、叩き起こされ混乱しているアランを困ったように介抱するアリア。
「ふん、知ったこっちゃないわ」
その隣を平然と通り過ぎたレオナは我関せずと手近な椅子に腰を下す。
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