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「なんだか沙優ちゃんとはすごく仲良くなれそう」
麻里奈先輩は、そう笑顔で言った。
「本当ですか?それは嬉しいですっ」
こんな綺麗な麻里奈先輩と仲良くなれるなんて、あたしの人生まだ捨てたもんじゃない!!!!よね?
うん。
でもどういうことだろう。
王子様を知らないと麻里奈先輩と仲良くなれるの?
もしかして王子様のこと嫌いなのかな、麻里奈先輩。
聞いたら失礼かな。
いいや、聞いちゃえ!!
「もしかして、麻里奈先輩は、その春真くんって人が嫌いなんですか?」
あたしのその勢いの良い質問に麻里奈先輩は一瞬驚いて、笑ってみせた。
「沙優ちゃん逆だよ、逆」
え?逆?
何が、何が?
制服逆に着ちゃってる?
あたしは急いで制服を見回した。
「はははっ!!沙優ちゃん、おもしろい!!!制服じゃなくて、さっきの質問」
え、制服じゃなくて質問?
質問って、麻里奈先輩が王子様を嫌いかっていうやつ?
その逆?嫌いの逆?
「え?好きってことですか?」
あたしがそう聞くと、麻里奈先輩はいまだに笑いながら頷いた。
そっか。麻里奈先輩は王子様を好きな人のひとりなのか。
「この学校、春真くんのこと好きな人が多くて、みんなライバル!!みたいな感じでね」
学校のみんなライバル?
あたしもしかしてすごい学校、入学しちゃったかな。
「でも、沙優ちゃんは春真くんに興味がないんでしょ?だったら普通にお友達になれるね」
なるほど。
王子様は友達までをも選ばせる。
すごい人なんだなあ。
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