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「まぁ、しょうがないかな。」
「切り替え早い!雅のそうゆう冷めた所がマズいんじゃない?」
「うん、確かに"不味い"…。」
「コーヒーじゃなくて。」
凝視してたコーヒーを取り上げられた。
やっぱり新商品はちゃんと見なきゃな。
「雅、話聞いてる?」
真剣な顔で怒られる。
それでも私は、コーヒーの事と色んな表情を見せれて紗英って素敵だなぁって、二つのことを呑気に思ってた。
「聞いてるよ。でもまだ24だし、焦る必要ないでしょ。」
私達はOL。中には私より凄い恋愛してる子だっているんだから。
私は全然序の口だって。
「まったくも~。」
私に何を言っても無理だと思ったのか、彼女はデスクのパソコンに再び視線を戻した。
「何か悩んでるなら、いつでも言っていいから。」
視線はパソコンのまま、真面目な口調で。
多くを語らない私への彼女なりの思いやりだろう。
「ありがとう、紗英。」
「じゃあ、お礼はこのコーヒーで♪」
「えー…それ、美味しくない。」
「雅は甘党すぎ!コーヒーはブラック1番!」
「ありえない…。」
男をとっかえひっかえでも、私に隔てなく接する彼女。
なにより、深く干渉しない所がたまらなく大好きだ。
まだまだ肌寒い、二月。
甘ったるいコーヒーが美味しく感じる時期。
そんな私に、また新しい相手が訪れようとしていた。
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