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「つまり…みんな、気合いが入ってるの?」
「そうみたいですね~。ライバル出現って感じです!」
「ライバル?」
「はい!"俺の"雅さんに惚れちゃいますかね?」
はにかんだ笑顔で私を見つめる。
本人に聞いちゃう所がまた…。
女慣れしてるなぁ。
極めつけの笑顔は、アレだ。
こうゆうの、なんて言うっけ。
営業スマイル?キラースマイル?
分かっててやっているだろう。
これにコロッとヤラれる、女の子は大勢いるわけだな。
私は響くんからわざと視線をそらして一言。
「さぁ?…てゆうか私、響くんのものじゃないよ。それに、残念ながら年下興味ないからね♪」
彼はさらりと、綺麗とか可愛いとか好きとか言ってくる、
言われることは嬉しいけど、恋愛対象外に変わりはない。
だから私もさらりと返す。
「雅さんのこと好きなのに…。」
口をへの字にして呟き、ガクッと肩を落とす彼。
そんな私達の会話に気付いた紗英が、響くんをフォロー。
「響くん、雅はこんな奴だからわかってあげてよ。てゆうか、雅おはよう。」
「うん、おはよう。」
「実際言われると結構キツいですよ!」
なんだか少し罪悪感。
整った顔がシュンってなってる。
響くんは、こんなこと言われるってめったにないだろうしね。
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