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預かって欲しい つい先日の朝方、乃橋 祐樹の携帯電話に母親からそんな電話が来た。 母親からの電話は久しぶりで どれくらい久しぶりかというとかれこれ半年くらいだが もっと色々話したかったけれどまだ意識も覚醒する前で頭が回らないから、もちろん話題なんて出なくて一方的に話を聞いていただけだった。 だがそれだけじゃない。母親が話していた預かって欲しいものについてもほとんど いや、全く記憶が不鮮明でもしかしたら夢だったかも知れないなんて思えるくらいだった。 ただ、一週間後の夕方位にそっちに行くというそれだけは覚えていた。 だから祐樹は特に何をするでもなくその予定の日曜日は夕方までぐだりと床に張り付いて、テレビをぼぅっと眺めていたのだった。
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