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朝
「抱き着いてて飽きない?」
神影を睨み付けながら言った。
「全然って言ってるじゃないか。春姫あったかいし、いい匂いがするから大好き。」
神影はさらに私を抱き締めた。
違う部屋で寝ているはずなのに、朝になると私の布団の中には神影がいる。
あっ、抱き着いてくるだけでそれ以外は何もされてないし、してこないからね!
「春姫…」
しかし、今日はいつもに増してべったりだ。
神影の腕は電話が鳴るまで離してくれなかった。
電話に出ると
「春姫かえ?」
「ば…ばば様。」
ばば様からの電話だった。ばば様は我が虎牙一族の最高位のお方だ。
「報告に来い。」
私の返事を聞かずに電話は切れた。
ツーツーという音が流れていても私は動けなかった。
「春姫、大丈夫。俺がいる。」
神影に抱き締められてやって我にかえった。
ばば様に報告に行かなければならない。
本家へ行かなくては…
私は神影の存在を確めるように体を預けた。
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