3・結局一番恐いのは人間

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「ちょっとぉ!乙女の顔に何てことしてくれんの…」 文句を言っていた狐鈴がピタッと黙った。 彼女?の視線の先には気だるい顔をした神影。 「あらン…イイ男じゃなぁい!!」 不死鳥が如く蘇った狐鈴がクネクネしながら神影に近づいた。 つけまつ毛バチバチの上目使い。神影の腕に腕を絡ませようとしたが… 神影はそこにおらず、いつの間にか私の隣にいた。 眉間にシワを寄せて不機嫌丸出し。 「汚物が気安く俺に触るな。」 絶対零度ってコレを言うんだろうな…標的じゃなくても、背筋がゾクッとするもんな。 「ああん!その冷たい言葉ゾクゾクしちゃう(はぁと」 ウインク付きの狐鈴の言葉にゾワッとした。 生理的に無理ってこういうことなんだな…さて、 「違反切符切らせてもらうね。」 気を取り直して、鞄から紙の束を取り出した。 影番は人間と妖の間に立ち、監視する者。 この違反切符は度が過ぎた事をやらかした者を裁くチケットだ。 「無許可での建築及び精神的苦痛を与えたってところでいいかな?神影。」 さらさらと筆を走らせながら神影に尋ねた。 「そんなところで許してあげるよ。春姫…」 私は補佐官で神影が裁判長。 裁くのは神影だ。 ・
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