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「ちょっとぉ!乙女の顔に何てことしてくれんの…」
文句を言っていた狐鈴がピタッと黙った。
彼女?の視線の先には気だるい顔をした神影。
「あらン…イイ男じゃなぁい!!」
不死鳥が如く蘇った狐鈴がクネクネしながら神影に近づいた。
つけまつ毛バチバチの上目使い。神影の腕に腕を絡ませようとしたが…
神影はそこにおらず、いつの間にか私の隣にいた。
眉間にシワを寄せて不機嫌丸出し。
「汚物が気安く俺に触るな。」
絶対零度ってコレを言うんだろうな…標的じゃなくても、背筋がゾクッとするもんな。
「ああん!その冷たい言葉ゾクゾクしちゃう(はぁと」
ウインク付きの狐鈴の言葉にゾワッとした。
生理的に無理ってこういうことなんだな…さて、
「違反切符切らせてもらうね。」
気を取り直して、鞄から紙の束を取り出した。
影番は人間と妖の間に立ち、監視する者。
この違反切符は度が過ぎた事をやらかした者を裁くチケットだ。
「無許可での建築及び精神的苦痛を与えたってところでいいかな?神影。」
さらさらと筆を走らせながら神影に尋ねた。
「そんなところで許してあげるよ。春姫…」
私は補佐官で神影が裁判長。
裁くのは神影だ。
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