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「だから情報収集だよ。どの妖怪がどこを根城にしてるかとか色々知ってんでしょ?」
「まっ…まあね。」
「週1ペースで情報を持ってきてよ。それが裁き…ペナルティーだよ。」
せいぜい血眼で探してよ?と神影は繋げた。
「それでいいのん?」
狐鈴が恐る恐る尋ねると神影はヘラッと笑った。
「違反の度に殺していったら間に立ってる意味がないでしょ?俺が裁いたんだからそれでいいじゃないか。」
こうして、情報収集部隊ができたのだった。
あれから、サラリーマン達の記憶を消してから帰路についた。
「あ~終わったぁ。」
本来の姿からいつもの姿に戻った神影が背伸びをした。
「ねぇ神影、裁きはあれでよかったの?」
私の問い掛けに神影の足が止まった。
「誰もいなくなるのは悲しいことだよ。もう嫌なんだ…1人になるのは。」
神影は月しかない夜空を見つめた呟いた。
「でも、春姫は俺のそばにいてくれるよね?」
神影の大きな手が私の手を包んだ。
今の神影は、お母さんを探す迷子のように見える。
神影の過去を私は知らない。けど、神影が居場所をぬくもりを求めているのは分かる。
だから言ってあげるの
「そばにいてあげるよ。」
そばにいてあげる。だから、私から離れないで…
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