3・結局一番恐いのは人間

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朝 「抱き着いてて飽きない?」 神影を睨み付けながら言った。 「全然って言ってるじゃないか。春姫あったかいし、いい匂いがするから大好き。」 神影はさらに私を抱き締めた。 違う部屋で寝ているはずなのに、朝になると私の布団の中には神影がいる。 あっ、抱き着いてくるだけでそれ以外は何もされてないし、してこないからね! 「春姫…」 しかし、今日はいつもに増してべったりだ。 神影の腕は電話が鳴るまで離してくれなかった。 電話に出ると 「春姫かえ?」 「ば…ばば様。」 ばば様からの電話だった。ばば様は我が虎牙一族の最高位のお方だ。 「報告に来い。」 私の返事を聞かずに電話は切れた。 ツーツーという音が流れていても私は動けなかった。 「春姫、大丈夫。俺がいる。」 神影に抱き締められてやって我にかえった。 ばば様に報告に行かなければならない。 本家へ行かなくては… 私は神影の存在を確めるように体を預けた。 ・
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