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「アンタ等のくだらん事のために…私の手を煩わせるなァァァ!!術式の壱、夢霧疾風(ムムシップウ)!!」
術を唱え札を飛ばすと突風がおこした。
「キャー!」
キャバ嬢や客が騒ぐ。壁にヒビが入り、やがて割れて…破片が葉っぱに変わっていく。
「おお~いつ見ても春姫の術はスゴイねぇ。化けの皮がどんどん剥がれていくよ。」
後ろから抱き着きながら神影が言った。
「葉と枝に術をかけて建物にしてたんでしょうね。“前よりも強い術で”…」
突風がおさまると神影はスッと離れた。ただふざけていただけじゃない。私を守っていたのだ。
「春姫、来たよ。」
煙の中から何かが出てきた。
狐耳、尻尾の生えた化け狐の女や少女。皆、殺気のこもった目で私達を見ていた。
「ちょっとぉ!アタシの店に何してくれるのよぉ!!」
化け狐達の後ろから女…女?
「神影、アレ女?」
隣の神影は苦笑を浮かべていた。
「アレって何よ!アタシは正真正銘の乙女よぉ➰」
んなガタイのいい女がいるかぁぁ!!
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