格差恋愛

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―もうこれが最後かもしれない。 激しい雨の音の隙間からそう聞こえた気がした。 通学路も明日から変わるし だったら 「…でも」 少しだけ左にずれる。 黒坂くんに近付く。 思っていることだけでもちゃんと伝えなきゃ。 「…あたしと…いる時の…やさしい黒坂くんは 好き …かもしれない、でした。」 日本語おかしい。 でも 認めたくなかったけど いつの間にか、傍にいるのが 楽しくなっていた。 立ち尽くす黒坂くん。 「今までありがとうございました。 さよなら。」 お元気で。 頭を下げて走る。
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