01

11/11
前へ
/11ページ
次へ
診察台はガラガラと嫌な音をたてながら僕を乗せて動く。 向かうのはまた手術室だろう。 結局着いても30分くらいで自分の病室へと返される。 「何故か傷もないし、内部損傷も見当たらない。至って健康状態だよ。その…顔は治ってないけどね」 顔を引き吊らせながら担当の医師が言う。 「あの量の血液は何処から持ってきているのか不思議でならないよ。出血死しても可笑しくない量なのに…」 「普通の人よりも何倍もあるだけじゃないですか?」 簡単に受け流す。 そうすればそれ以上聞いて来ないことを僕は知っている。と言うよりも覚えてしまった。
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加