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診察台はガラガラと嫌な音をたてながら僕を乗せて動く。
向かうのはまた手術室だろう。
結局着いても30分くらいで自分の病室へと返される。
「何故か傷もないし、内部損傷も見当たらない。至って健康状態だよ。その…顔は治ってないけどね」
顔を引き吊らせながら担当の医師が言う。
「あの量の血液は何処から持ってきているのか不思議でならないよ。出血死しても可笑しくない量なのに…」
「普通の人よりも何倍もあるだけじゃないですか?」
簡単に受け流す。
そうすればそれ以上聞いて来ないことを僕は知っている。と言うよりも覚えてしまった。
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