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空を見上げ、空に向かって指を指す。
「人は生まれたと同時に天国とか地獄とか決まる」
僕は出来るだけ解りやすい様に彼に説明をしはじめた。
「神様が帰ってくるようにって生まれる時に言うから天国。
けど神様だって好き嫌いがあって帰ってくるなって言う時もある」
「地獄行き?」
「そう。だけど中には違うのもいる」
「天国と地獄の他に?」
大抵の人はそう思うはずだ。
確かに彼の考えは正しい。
しかしもう一つだけ行き場所がある。
「死んでもずっとこの世にいる奴らの事。
大抵は見えないはずだけどこうやって見える奴もいる」
そう言いながら自分自身を指す。
「いやいや、それはないっ………え?」
飛び降りてみた。
風の音に混じって僕の名前を呼ぶ声が聞こえ、上には驚いている嵯峨の姿が…少しずつ、少しずつ…離れて……
僕は目を瞑った。
痛みを感じることに期待をしながら。
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