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私は鞄から出した御守りを、両手で包み込むように握った。
すると手の中が温かくなったような気がした。
「あっ、子どもが居なくなった。見えなくなったのかな。それとも何処かへ移動したのかな……」
子どもなのに地縛霊なんて可哀想だな。
「何、独り言言ってるんですか?」
後ろの頭上から聞き慣れた声がした。
こ、この声は……
山田先生!
私は恐る恐る振り向いた。
そこにはこれでもかというほど、真っ黒なオーラを纏った山田先生が立っていた。
「ひぃっ! 山田先生!」
私は咄嗟に2メートルは後ずさった。
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