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「深く考えなくて良いんだ。仮の婚約だと割り切るのでも良いし、嫌ならば断れば良い。俺との婚約は奈緒を守る手段の内の一つであって、絶対じゃないんだから」
「お兄ちゃん……」
お兄ちゃんは、やっぱり優しい～。
私の気持ちを考慮してちゃんと逃げ道をくれる。
それにひきかえイチ君たら……
何だかんだ理由をつけて、私がお兄ちゃんと婚約するように仕向けてるし。
ソレがいかにも「私の為だよ～」みたいに。この腹黒め。
「しかし、一番良い方法です」
「でも……」
でもね。私は……
「奈緒…… もしかして、好きな人でもいますか？」
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