兄と叔父

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「えっ!」 「好きな人がいるから、たとえ仮でも婚約話を躊躇するのでは?」と、イチ君は続ける。 一瞬、蒼の顔が私の脳裏に浮かんだ。 浮かんだけど…… すぐに打ち消した。 ダメダメダメ! 蒼は瞳子さんと婚約してるんだから! 蒼は只の…… 「幼なじみだもん!」 「はい?」 「へ?」 しまった! 口に出しちゃった。 「な、何でも、ない、で、す。アハハ……」 私は笑って誤魔化した………… かな? 「まっ、とにかく。話も一段落した事だし、今日はもう遅いから休もう」 「そうですね」と、イチ君はソファーから立ち上がる。 アハハ、誤魔化せたらしい………… たぶん?
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