蒼の憂鬱 ②

18/45
前へ
/2084ページ
次へ
何言ってんのこいつ。 「最初から俺に手伝わせるつもりだったんですか?」 「そっ!」 「当然だ」とばかりに、満面な笑顔で返す山田2号。 「じょう……」 冗談じゃない。自分の仕事は、自分でやるべきだ。 だが俺の抗議の声は、山田2号を呼び出す放送の声に遮られた。 「悪いね、烏丸君。ちょっと行ってくるからお願いな」 と、山田2号は俺を残して数学科準備室から出ていく。 「何なんだよ……」 断りそびれたじゃないか…… 俺は仕方なしに、答案用紙の採点作業に集中した。 10分ほどすると、紙の束と缶コーヒーを抱えた山田2号が戻ってきた。
/2084ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3462人が本棚に入れています
本棚に追加