3462人が本棚に入れています
本棚に追加
夕方――
瞳子と待ち合わせのカフェに行くと、奈緒はいなかった。
「ごめんね、蒼」と何度も頭を下げる瞳子。
「いいや、瞳子のせいじゃないよ」
奈緒……
何故だ。何故なんだ?
俺は奈緒の顔を何日見ていない?
何日彼女の声を聞いていない?
何故、奈緒は俺の前からスルリと通り抜けていく? というか、逃げていく?
アレから奈緒に会えないのは、藤ノ宮達の嫌がらせだけかと思っていたのに、
コレだけ会えないとなると、ソコに奈緒の意思も入っているんじゃないかと思ってしまう。
奈緒……
奈緒は俺の事を故意に避けているのか?
「蒼、もう一つ謝らなければいけなくて……」
「ん?」
最初のコメントを投稿しよう!