蒼の憂鬱 ②

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夕方―― 瞳子と待ち合わせのカフェに行くと、奈緒はいなかった。 「ごめんね、蒼」と何度も頭を下げる瞳子。 「いいや、瞳子のせいじゃないよ」 奈緒…… 何故だ。何故なんだ? 俺は奈緒の顔を何日見ていない? 何日彼女の声を聞いていない? 何故、奈緒は俺の前からスルリと通り抜けていく? というか、逃げていく? アレから奈緒に会えないのは、藤ノ宮達の嫌がらせだけかと思っていたのに、 コレだけ会えないとなると、ソコに奈緒の意思も入っているんじゃないかと思ってしまう。 奈緒…… 奈緒は俺の事を故意に避けているのか? 「蒼、もう一つ謝らなければいけなくて……」 「ん?」
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