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「いいえ、謝るのは私の方だわ。ごめんね、蒼。私ったら自分から言っておいて、全然役に立たないわね」
まだ謝るのか? 奈緒が此処にいないのは、別に瞳子のせいじゃないのに……
「瞳子、何回も謝らなくて良いから」
「でも、婚約者の事も……」
「お嬢様が謝る必要はありません。蒼様に婚約者がいるのは事実なのですから。藍沢様にソレを知られたのは、蒼様の責任。配慮が足りなかったという事です」
ぐっ…… もっともな意見だな。
だが、三宅さんが口に出すのは珍しい。いつも視線で訴えるだけなんだけどな……
「三宅、失礼よ……」
瞳子が三宅さんを見上げながら苦笑いする。
三宅さんは瞳子が何度も俺に謝る姿を、よほど見ていられなかったんだろう。
三宅さんの一番は瞳子だからな。
ボディーガードの域を出て意見するぐらい仕方がないさ。
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