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ていうより、全然眠れなかった。
ダイニングテーブルの椅子で、ふんずり返りながら大きなアクビをすると、
まだリビングにいた母さんが近づいてきて、仁王立ちで俺を見下ろす。
「何?」
「ヘ、タ、レ」
「なっ!」
どういう意味だよ。俺は眉間に皺を寄せた。
「本当に早くしなさい。もう何時だと思ってるの~?」
ハイハイ、12時過ぎてます。今の言葉はなかった事かよ。まったく……
「当主様がいらっしゃったら、他の方達も来られるんだから」
婚約者候補達か…… 気が進まない。顔合わせなんて、必要ないのに……
「まったく貴方ったら…… あの方達の中に、奈緒ちゃんがいないなんて残念だわ~」
チッ。俺だって残念だよ。
「この、ヘタレ!」
「っ!!」
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