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「では僕はこれで失礼します」
少年が踵を返したので、私は咄嗟に彼の腕を掴んだ。
「何か?」
「訊きたい事があるんだけど!」
「何でしょうか?」
はぁ、この人さっきからずっと丁寧な言葉使い。見た目は私と同じ年位に見えるのに。
「さっきの強面のお兄さんは何で急に居なくなったの…… いや、居なくなったのでしょうか?」
私も丁寧に話してみました。
「何の事でしょうか?」
「惚けないで下さい。さっきまで私を追いかけていたお兄さんですよ。 消えたと思ったら代わりに貴方がいたじゃないですか」
少年は私に掴まれている自分の腕を見ている。
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