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――舞台中央に尼丘立つ。そして以下の朝霧の言葉に合わせて動き出す。BG「コカイン」Ci
(朝霧)
生きる目的定まらず。この世が何かも感じ得ず。ただこの場に存在し得ることだけを真とする。心の中に、存在し得る、脈々と流れる万里の河は、いつしかその流れを止め、広大な海原に流れ着くのを諦めた。その判断は英断なり。されどその所業は決して報われることなく、奈落の底に葬り去られることだろう。
目に映る物は霧がかかったかのように白く濁り、耳には何も響かず、息をすれば何も匂わず、物に触っても実感がない。思考は常に虚う。その存在、肉の塊に近づき、存在そのものの終焉に向かう。終焉を完遂した時こそ因果の鎖から開放されるであろう。
その所以としてその存在が言う。この世に光無し。熱無し。流れ無し。唯我が存在がここにあるだけである。この世がそのような世界であるが故に、我が存在がこの世に存在するに相応しくないと心得る。終焉に向かおうとすることが我の唯一の意志であり、欲求であろう。
このようなことをのたまうその存在、名を尼丘三郎という。これよりその名も終焉に向かう。
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