イデアの終焉

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(東郷) 尼丘君、貴方はそれで格好つけているつもりかもしれないけど、私から見たら、唯逃げているだけにしか見えないんだよね。現実から…… (尼丘) ………… (東郷) 分かりました。そうやってなさい。私が勝手に喋るから。 (尼丘) ………… (東郷) 何にも関心を示さない……これは対象に興味を示し、それにのめり込む事への恐れ。つまり、対象を信用し、鋼の鎧から心を開放すると、それ無しには生きていけなくなる。そうすると、心に充足感が流れると同時にそれを失うことに対する恐怖を極端に感じる。その恐怖に苦しむ前に初めから何に対しても興味を感じなければいいという自己防衛本能? それとも、自分が何をやってもたかがしれてる。自分には才能がないのだ一生懸命やるなんて馬鹿げているっていう卑屈な人生観を持っているのか。ふふっ……いずれにしても弱いってこと。青いねー。
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