日常が壊れる音

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手渡された封筒には見慣れた文字で《有希へ》と書かれていた。 聡子の家を後にして、 お母さんに見送られ、 角を曲がり、お母さんから私の姿が見えなくなった直後に、 私は聡子からの手紙を読んだ。 早く状況が知りたくて、 早く聡子と友達に戻りたくて、 私は聡子からの手紙を読んだ。 《有希へ》 コレを読んでると言うことは、ずばり有希は私の家に来てますね?笑 へへへ。私は何でもお見通しなんだから♪ ずいぶん前に、足が痛いって話したの覚えてる? 実はさぁ。 何か、大変な病気みたいで、私、入院してるんだよね☆ 学校にも行けないだろうし、卒業式出れるかも微妙みたい。 西高には行けそうにないかな? 約束、破っちゃってゴメンね。 でも、まぁ、ひょっとしたら、いきなり元気になるかもしれないし♪っても今も元気なんだよ♪笑 こんな病人が友達ってのも嫌かもしれないけど、私には有希が最初で最後の友達だから仲良くしてやってください。 病気の事、いつ話そういつ話そうって思ってたら入院しちゃって話せなくなっちゃって、でも、わざわざ家にまで来てくれてありがとうね☆ 良かったら、見舞いに来てね♪ 《聡子より》
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