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今日は聡子に会いに行く日。
電話も出来なくて・・・。
突然になるけど仕方ないよね?
聡子に会ったら前みたいに話せるかな?
喧嘩してた訳じゃないし、大丈夫だよね?
すごく不安だよ・・・。
家から、たった一駅の病院。
だけど、来るのは初めてだ。
病院の入り口をくぐると、薬品の匂いが鼻をつく。
どこの病院でも変わらない雰囲気。
少しざわついた待合室。
カルテを片手に名前を呼んでる看護婦さん。
車椅子の人もいるし、
杖をついてるおじいちゃんもいる。
風邪なのかな?マスクをしてる若いお兄さん。
小さな子供を抱いてるお母さん。
みんな病気で苦しんでる人なんだろうかな?
辺りを見渡しながら、そんなことを思ってた。
《整形外科》
その文字が私の目に飛び込んできた。
聡子のいる病棟だ。
受け付けの人に病室を聞いて、304号室へと向かう。
廊下のあちこちに消毒剤がある。
扉の向こうには足に包帯を巻いた人。
松葉杖を手に歩いてるお姉さん。
聡子の部屋は・・・。
角を曲がった奥に見える。
304号室。
聡子の部屋だ。
ここに、聡子がいる。
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