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難しくて聡子自身も分からない事もあるみたいだけど、聡子が癌に侵されているのは事実で、本来は骨髄移植をしないと助からないらしい。
でも、幸いなことに聡子が若くて元気だから(?)
自分の骨髄と何かをどうにかして何とかなるとか・・・。
正直、私には分からない。
話してる聡子自身、分からないらしい。
「このままだと聡子はどうなるの?」
私は聞きたいことを聞いた。
これから聡子がどうなるのか知りたかった。
残酷だけど、助かるのか死ぬのか、ソレが知りたかった。
聡子が冷静に話すからなのか?
私が《死》を理解してないからなのか?
私は、自分が聞いてることの、事の重大さが分かっていなかった。
聡子は分かっているのか、いないのか、アッサリと答えた。
「人工骨を足に入れる手術をしたら治るんだって♪」
語尾に《♪》まで付けて、笑顔で答えてくれた。
「手術で治るんだ!」
私はホッとした。
聡子はへへへっとばかりに勝ち誇った顔をしてる。
もっと深刻な病気なのかと思った私は安心したと同時に笑いがこみあげてきた。
そのまま私達は笑い合い、他愛のない話しをして、また来週にお見舞いに来ると約束した。
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