冬のリヴィエラ

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彼女(あいつ)によろしく伝えてくれよ 今ならホテルで寝てるはずさ 泣いたら窓辺ねラジオつけて 陽気な唄でも聞かせてやれよ アメリカの貨物船が 桟橋で待ってるよ 冬のリヴィエラ男って奴は 港を出してゆく船のようだね 哀しければ哀しいほど 黙り込むんもんだね 彼女(あいつ)は俺には過ぎた女さ 別れの気配をちゃんと読んでて 上手にかくした旅行鞄に 外した指輪と酒の小壜さ やさしさが霧のように シュロの樹を濡らしてる 冬のリヴィエラ人生って奴は 思い通りにならないものさ 愛しければ愛しいほど 背中合わせになる 皮のコートのボタンひとつ とれかけてサマにならない 冬のリヴィエラ男って奴は 港を出てゆく船のようだね 哀しければ哀しいほど 黙り込むもんだね
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